児童相談所問題

児童相談所問題に深入りした理由

保護人数データ分析、被害者同士のトラブル


公開:2016年8月5日、更新:2017年4月30日

1. 児童相談所問題を知った、2014年7月

 2014年7月に東京都内で行われた、嶋田和子氏主催の精神医療問題の減断薬会合・茶話会と、中川聡氏主催の精神医療問題の勉強会に参加した際に、児相被害者を名乗る人たちや支援者たちと出会いました。

 

 そして、「子供虐待防止世界会議 ※1 で児相問題のビラ配りをするから名古屋まで参加してほしい」とか、「児相に奪われた子供を取り返す為に手伝ってほしい」とか、「勉強会や裁判などに参加してほしい」とか、「DCI日本(現:子どもの権利条約日本、CRC日本)に加入して児相問題を応援してほしい」とか、いろいろ勧誘されました。

 

※1:子供虐待防止世界会議 2014 名古屋パンフレット

開催:2014年9月14日~17日、名古屋国際会議場

主催:国際子供虐待防止学会(ISPCAN)、日本子供虐待防止学会(JaSPCAN) 共同大会長/JaSPCAN会長:小林美智子

 

 それ以後、児相問題の会合や裁判傍聴に、2014年7月:1回、9月:2回、11月:2回、2015年1月:1回、3月:2回と、参加してきました。そして、2015年4月以降は、晃華学園事件の裁判傍聴と報告会に参加してきました。なお、精神医療問題の活動や、DCI日本・子どもの権利条約日本・CRC日本の活動は、この回数には含んでいません。

 

 ここまで児相問題に関わり続けてきたのには、いくつかの理由があります。

 

 

 児相問題の話を聞いて、最初にやった事ですが。

 

 彼らは嘘つきの自称被害者(本当は虐待親)ではなかろうか?と疑いました。時々ニュースになりますが、児相に子供を保護されて、「虐待なんかしていない」と子供を取り戻して虐待死させる事件が起きています。支援して欲しいと声をかけてきた彼らも、本当は虐待親ではないか?と疑いました。

 

 虐待親は、他人を騙して利用する事を、悪いと思いません。常識が通用しないのです。高学歴で礼儀正しいエリートが、テロ犯人になるのと似ています。

 

 児相被害者や支援者の話が本当かどうか、児相の実績を簡単に調べました。

2. データ集計と分析

 当時の記憶は、若干あやふやですが。全国養護施設協議会、厚労省・社会福祉施設等調査、総務省統計局・人口推計、都道府県の福祉保健局などから、データを集めました。児童相談所の保護実績、児童養護施設の施設数、定員、入所人数、定員充足率、日本の総人口、子供人口(0~19歳)など、年度ごとのデータです。全国のデータでも、一部の都道府県のデータでも、大まかな傾向を調べるには十分です。次に、それらのデータから、日本における子供人口の変化と、児相の保護人数や施設の入所人数の変化を比べました。

(注:子供人口(0~19歳)は人口データから集計。人口推計などの0~14歳人口ではありません)

 

 今回は、全国養護施設協議会の実績データがまとまっていたので、それを基に集計しました。年度ごとのデータは、このページの最後「4. データ一覧」に載せます。今回は、それ以外のデータについては省きます。

表:児童養護施設・実績の平均
グラフ:児童養護施設(年度ごとの入所実績)

 子供人口(0~19歳)は、1980年の3580万人(総人口の31%)から、2015年には2200万人(同17%)へ、6割に大幅に減少しています。総人口は、1980年は1億1700万人ですが、1990年以降は1億2600万人前後でほぼ一定です。子供人口が減り、中高年人口が増えています。

 

 児童養護施設の定員は、1980年から2015年まで、3万4000人前後でほぼ一定です。入所人数は、1990年代に2万6000人程に減りましたが、2000年に児童虐待防止法が成立した後は2万8000人~3万人に回復し、ほぼ一定です。虐待親が急増しない限り、子供人口が大幅に減少していく中で、ほぼ一定というのは不自然です。

 

 その結果、定員充足率は80~90%でほぼ一定です。都道府県ごとに管轄が異なるのに、全国的に満員に近い状態なのは不自然です。さらに、その状態が長期間にわたって続いているのも不自然です。もし、入所待ちの子供が多くて満員に近い状態が続いているのなら(保護児童に対して大幅な定員不足)、35年間も定員を増やさないのも不自然です。

 

グラフ:子供人口と入所人数の割合

 グラフの子供人口(0~19歳)の減少カーブと、施設入所の割合の増加カーブが、異なります。施設入所の割合は、児虐法が施行された2000年頃に大きく増加しています。表を見ると、施設入所の割合は、1980年代は1163人に1人、2000年以降は800人に1人です。この増加は不自然で、何らかの意図があると考えられます。

 

 家庭の内的要因として、虐待や育児放棄が急増しているとは考えられません。統計的に、虐待や育児放棄をする親は、どの時代でもある割合で存在します。1980年以降の日本は、戦争や政変(クーデターなど)もなく、暴動が起きるような飢饉や不況もなく、貧困国でもありません。好不況の波があったにせよ、経済的に余裕のある安定した社会でした。社会情勢が大きく変わらないのに、虐待や育児放棄をする親の割合が急増する事は考えられません。ほぼ一定になるはずです。

 

 家庭の外的要因として、親の事故死や貧困が急増しているとも考えられません。自動車の安全性向上や、市街地の渋滞増加により、交通事故死者数は大幅に減少しています。親の失業や離婚があっても、失業保険や生活保護により、最低限の文化的生活(子供と一緒に暮らせる)は保障されます。離婚が増えていても、子供人口が大幅に減っていますし、離婚する親が子供を邪魔にするとも限りません。

 

 日本社会では、たとえ親が育児できなくなっても、祖父母や親戚が親代わりになる事ができます(経済的にも住宅事情的にも)。児相が保護しなければならない事案が大幅に増加したとは考えられません。

 

 2014年当時も、児童相談所や児童養護施設のデータを見たり、データを集計した際にも、あちこちに不自然さを感じました。

 

 児相問題は、自称被害者(虐待親)の嘘だけではなく、無実の被害者が増えていると判断しました。その原因は、厚労省の児童虐待防止政策によるものかもしれないと考えました。内海医師の著書「児童相談所の怖い話」などに書かれている状況です。しかし、それだけでは深入りする理由にはなりません。深入りするきっかけは、3か月ほど後に起きました。

3. 児童相談所被害者の非常識なトラブル、2014年秋

 私が児相問題に深入りしたきっかけですが、「正義感や義憤にかられて」と知ったかぶりで解説している人がいます。そのような嘘を広める目的は、容易に推測できます(悪意という事です)。ここに事実を書きます。

 

 2014年秋、新宿で行われた勉強会の後、児相被害者Bが、児相被害者Cに対して、支援者Aを巻き込んでトラブルを起こしました。私(支援者D)も巻き添えをくらい、非常に不愉快な想いをしました。それが、児相問題に深入りするきっかけになりました。ざっくばらんに言うと(児相被害者Bに対して)、

「なぜ、こんなトラブルを起こすんだ?、非常識過ぎる」

「なんで関係ない他人(私)を巻き込むのんだ!?。言ってる事は嘘ばっかりだし、めっちゃ頭にきた!」

「自分で調べろ!と罵倒したな。だったら調べてやる!」

まあ、そんな事です。正義感?、義憤?、全然違いますね(苦笑)。

 

 そして、深入りしたら、創価学会・公明党、オウム真理教、左翼の反体制活動など、いろいろ出てきた……って訳です。

 

 もし、児相被害者Bと仲間たちが、常識やマナーをわきまえた人たちだったら、児相問題に深入りしませんでした。他の皆さんと同じように、一般論として、児相問題の本を紹介したり、児相被害者を応援したり、DCI日本・子どもの権利条約日本・CRC日本などを応援するブログを書いていたはずです。その程度で、深く関わる事はなかったはずです。(なお、今後も嫌がらせが続くのなら、対抗する為に、トラブルの内容や児相と争っている内容などを公表させて頂きます)。

4. データ一覧

注:子供人口は、0~19歳として、人口データから集計しました。人口推計などの0~14歳ではありません。

 

表1.児虐法施行による児童養護施設の実績の変化
期間 年度 入所定員
(人)
在籍児童
(人)
定員充足
率(%)
総人口
(千人)
子供人口
(千人)
子供割合
(%)
千人当り
入所人数
入所1人
当り(人)
児虐法
施行前
1980~1990
S.55~H.2
34,678 29,624 85.5 121,573 34,468 28.4 0.860 1,163
児虐法
施行前
1993~1999
H.5~11
33,159 26,612 80.2 125,796 28,079 22.3 0.951 1,052
児虐法
施行後
2000~2015
H.12~27
33,724 29,518 87.8 127,521 23,715 18.6 1.247 802
直近
5年間
2011~2015
H.23~27
33,732 28,049 83.8 127,361 22,429 17.6 1.251 800
表2.年度ごとの児童養護施設の実績
年度 児童養護
施設数
入所定員
(人)
在籍児童
(人)
定員充足
率(%)
総人口
(千人)
子供人口
(千人)
子供割合
(%)
千人当り
入所人数
1980/S.55 531 34,914 30,787 88.2 117,060 35,801 30.6 0.860
1985/S.60 538 35,044 30,717 87.7 121,049 35,025 28.9 0.877
1990/H.2 533 34,076 27,423 80.5 126,611 32,579 25.7 0.842
-                
1993/H.5 530 33,455 26,036 77.8 124,764 30,106 24.1 0.865
1994/H.6 529 33,134 25,960 78.3 125,034 29,282 23.4 0.887
1995/H.7 529 32,824 25,741 78.4 125,570 28,600 22.8 0.900
1996/H.8 527 32,669 26,012 79.5 125,864 27,929 22.2 0.931
1997/H.9 526 32,386 26,046 80.4 126,166 27,371 21.7 0.952
1998/H.10 555 33,865 28,041 82.8 126,486 26,866 21.2 1.004
1999/H.11 553 33,753 28,448 84.3 126,686 26,397 20.8 1.078
2000/H.12 552 33,803 28,913 85.5 126,926 26,007 20.5 1.112
2001/H.13 551 33,660 29,610 88.0 127,291 25,633 20.1 1.155
2002/H.14 552 33,651 30,042 89.3 127,435 25,296 19.9 1.188
2003/H.15 554 33,474 30,014 89.7 127,619 24,902 19.5 1.205
2004/H.16 556 33,485 30,597 91.4 127,687 24,495 19.2 1.249
2005/H.17 558 33,676 30,830 91.5 127,768 24,178 18.9 1.275
2006/H.18 559 33,561 30,764 91.7 127,770 23,859 18.7 1.289
2007/H.19 564 33,917 30,846 90.9 127,771 23,575 18.5 1.308
2008/H.20 569 33,994 30,695 90.3 127,692 23,331 18.3 1.316
2009/H.21 563 33,484 29,753 88.9 127,510 23,090 18.1 1.289
2010/H.22 582 34,215 29,975 87.6 128,057 22,932 17.9 1.307
2011/H.23 578 33,782 29,214 86.5 127,799 22,780 17.8 1.282
2012/H.24 589 34,410 28,188 85.2 127,515 22,597 17.7 1.247
2013/H.25 590 33,852 27,549 81.4 127,298 22,437 17.6 1.228
2014/H.26 602 33,599 27,468 81.8 127,083 22,238 17.5 1.235
2015/H.27 602 33,017 27,828 84.3 127,110 22,091 17.4 1.260