児童相談所問題

施設の生活はカルト村

コミックエッセイ「カルト村で生まれました」高田かや著


公開:2017年3月18日、修正:2018年5月12日

 

 児童相談所に子供を保護された親が、裁判や敵対行動をすれば、調査や家族再統合は行われなくなり、子供は戻ってこなくなります。サイト管理人として、裁判、敵対行動、児童相談所の撲滅をめざす活動などは支持しません。それ以前に、虐待、嘘、違法行為、非常識な言動があったとすれば、問題外です。

 

 

1. 児童相談所に保護された子供の生活

 児童相談所問題の活動は、「奪われた子供を取り返す!」という活動です。それだけで良いのでしょうか?。

 

 施設で暮らす子供の立場から考えてみましょう。子供は、どんな理由で児童相談所に保護されたかに関わらず、児童相談所の指示で施設に入所させられます。

 

 不当な理由により児童相談所に保護(拉致)された子供は、数か月後に親の待つ自宅へ戻れるかもしれません。児童相談所の判断によっては、家族と電話も面会も許されず、大人になるまで親から引き離されます。どうなるにせよ、子供は施設で暮らす事しかできません。

 

 親との死別、親の虐待や育児放棄、本人の非行や犯罪など、正当な理由により児童相談所に保護された子供も、施設で暮らす事しかできません。

 

 彼らは、どのような生活をしているのでしょうか?。

 

2. 児童養護施設の生活とそっくり

画像:「カルト村で生まれました」表紙

『カルト村で生まれました。』

高田かや(著)、文藝春秋

単行本1,080円、電子書籍kindle版849円 (価格は税込)

 

 ある方から、「児童養護施設の施設で入れられた子供の生活って、この本とそっくりなんです」と、紹介して頂きました。

 

 表紙を見ると、「何がカルト村なの?。猫やトリやヒヨコと一緒に、楽しい田舎暮らし(農村生活)じゃん!」ってイメージが浮かんできます。

 

 ほのぼのとした絵とセリフで、面白おかしく書かれているので、あっという間に読み終わります。しかし、「平成の世の中に、こんな生活があったなんて!」と驚きます。

 

3. カルト村・ヤマギシ会

 カルト村とは、「幸福会ヤマギシ会」の集団農場です。興味を持った方はインターネットで検索して下さい。脱会者の経験談が沢山出てきます。以前、世話になったフリースクールの代表も、ヤマギシ会の脱会者でした。理念と現実の違いから、脱会を決心したようです。

 

 皮肉な事に、ヤマギシ会の有機栽培農産物は高級品になりました。カルト!と批判されても、農産物が高値で売れて儲かっている限り、ヤマギシ会が肯定されている事になります。民間企業に例えると、ブランド品として人気があり、無借金の黒字経営をしている訳ですから。

 

 米国にも、現代文明から離れて昔ながらの自給自足で暮らす「アーミッシュ」と言う宗教団体があります。こちらは、集団農場というより、文明を拒否する教義だそうです。

 

4. カルト村と児童養護施設

 カルト村(以後、村と記します)の生活と、児童養護施設の生活は、何がそっくりなのでしょうか?

 

●親と子を引き離す

 

 村は、全国各地にあります。子供は、強制的に親から引き離され、親とは別の村で、子供だけで集団生活をさせられます。時々(年に数回とか)、親や家族に会う事ができます。

 

 なぜ、村は、親子を引き離すのでしょう?、村は農業を基盤とした生活共同体です。親、兄弟姉妹、祖父母など、愛情を持って接する家族と引き離す必要はありません。それとも、子供を人質にした、脱走予防(脱会予防)でしょうか。

 

 児童相談所に保護された子供も、親や家族から強制的に引き離されます。時々(月に1回とか)、親子が面会できます。村と同じような状況です。児童相談所と対立したり、虐待が疑われると、面会通信の制限が行なわれます。家族も、弁護士も、子供と接触する事が全くできなくなります。

 

●担当職員

 

 村では、集団で生活する子供に、大人の世話係が一人つきます。沢山の子供をおとなしく従わせる為、体罰や食事抜きなどで、強権的に支配します。「罰として、髪をつかんで引きずり回して壁に打ち付ける」なんて、立派な虐待ですよね。世話係は、村で大人に割り当てられる役割のひとつです。他人の子供に対して、分け隔てなく愛情を持って接するなんて無理でしょう。

 

 児童相談所の職員は、本人の希望や適性と関係なく、人事異動で配属されたのかもしれません。養護施設の職員は、不景気で他に就職先がなかったのかもしれません。そんな状況であれば、子供に愛情を持てないかもしれません。また、施設によっては、職員と子供が親密にならないように指導しています。なぜ、刑務所と同じ指導をするのでしょうか?。

 

●子供同士

 

 村では、少ないにしても、親・家族・村の外にいる親戚との触れ合いがありました。子供同士の支え合いもありました。

 

 施設では、子供同士が仲良くなる事を禁止しています。親や家族と、面会や連絡を全て禁止する事もあります(面会通信の制限)。子供と職員が親しくなる事を禁止する施設もあります。愛情を与えず、ひとりぼっちにして、どうするつもりなのでしょうか?。

 

●自由がない、本人の希望や適性は無視

 

 村では、子供にも、農作業や掃除など役割が割り当てられました。役割は、日曜も休みがありません。高校に行かせてもらえない子供もいました。大人も子供も、村の決まりに従って生きていく事しか許されません。それは、ヤマギシ会が経済的に苦しかったからではありません。ヤマギシ会としては、世界銀行ひとつ分のお金を持っていました。それゆえに、カルトと呼ばれたのです。

 

 施設の子供も、児童相談所や施設の規則に従って生きていく事しか許されません。高校への進学も、本人の希望や適性ではなく、児童相談所や施設の都合で進学先が制限されます。勉強、スポーツ、趣味など、本人の希望や適性に合わせた進学や生活ができません。カルト村とそっくりです。